Interview
027
Linking Work & Life
フォークリフトオペレーター
- 庫内作業
- フォークリフト
- 中途入社
仕事のモットーは“正確に、着実に”
- 入社した年
- 2014年
- 休日の過ごし方
- 飲みに行く
- 仕事終わりの楽しみ
- 手料理で一杯

< 入社のきっかけ >
目標が明確な仕事が、自分には合っていたんです
私がいる支店の役割は、建材用のコイル製品に対する梱包作業。大手鉄鋼メーカーが生産したコイルを、納品先ごとの仕様に沿って丁寧に梱包しています。仕様は実に多様で、数十パターンにのぼることも。ミスが許されない非常に繊細な工程ですが、そのぶん製品の品質やお客さまの信頼を支える重要な仕事です。
SBSロジコムとの出会いは、前職の会社が倒産し転職活動をしていたとき。合同説明会でSBSロジコムのブースに立ち寄ったときに、「この仕事なら、自分の経験が活かせそうだ」と直感したんです。もともと鉄鋼系の工場で働いていたため、天井クレーンやフォークリフトの資格を持っており、業務にもすぐ馴染めるだろうという手応えがありました。
実際に働き始めて改めて感じたのは、やはりこの仕事は自分の性格に合っているということでした。工場での仕事はやるべきことが明確です。たとえば、「この製品を、この仕様で仕上げる」といった明確かつ具体的なゴールがあり、それに向けて工程を一つひとつ積み重ねていきます。私の場合は自由な発想のクリエイティブな仕事よりも、決められた目標を着実に達成していくスタイルの方が、性に合っているんです。

< 大切にしていることと印象的な出来事 >
仕事をするうえで最も大切なのは「ルールを守る」こと
私が仕事をするうえで何よりも大切にしているのは、「ルールを守る」ことです。取り扱うのは、最大で20トンにもなる超重量のコイル製品。その梱包作業は見た目以上に繊細で、仕様通りに仕上げることが絶対条件です。たとえ中身に問題がなかったとしても、梱包が指定の形式と違っていれば、それだけで重大なトラブルに発展しかねません。だからこそ、現場では細部まで正確さが求められるのです。
以前、まさにその「仕様違い」によって、忘れられない出来事がありました。あるとき、ある製品の梱包が仕様と異なる状態で出荷されてしまったのです。急遽、同じロットの製品すべてを対象に確認作業が行われることになり、社員総出で夜遅くまで対応しました。幸い大きな事故には至りませんでしたが、一歩間違えれば傷や変形といった製品不良につながり、それに伴いお客さまの生産ラインは停止。最悪の場合、その先のお客さまにも大きな損害を与えるところでした。
私たちの仕事は、完成品をつくっているわけではありません。でも、その製品が本来の品質を保ったまま使われるための“最後の守り”を担っています。すべての仕様には理由があります。輸送中の衝撃から守るため、湿気や摩擦を防ぐため、現場での搬送や保管をスムーズにするためー。そのすべてがお客さまにとっては必要で、私たちが提供できる価値なのです。
だから私は、決められた仕様を守ることこそが仕事の「正しさ」だと考えています。「このくらいならいいだろう」と思う瞬間は、現場では少なくありません。でも、そうした“わずかな判断のズレ”が、信頼の損失につながることもある。決められたルールを正確に守ることにこそ、私たちの存在意義があるのだと考えています。

< 班長として心掛けていること >
メンバーへの向き合い方で大切なのは、“なぜやるのか”を、丁寧に伝えること
現場では、班長として作業全体の進行管理に加え、新人や経験の浅いメンバーへの指導も行っています。その中で私が特に大切にしているのが、「ただやり方を伝えるのではなく、その理由まできちんと伝えること」です。
たとえば、「この紙をここに巻いて」「このパーツはこう当てて」といった手順だけを説明しても、表面的な理解にとどまってしまいます。ですが「この仕様にしないと輸送中に傷がついてしまう」「お客さまの加工工程で支障が出てしまう」といった背景や目的を伝えれば、納得したうえで行動してもらえます。たった一言添えるだけでも、一人ひとりの作業の質は大きく変わるのです。これは班長になってから、より実感していることです。
相手が「なぜこの作業をするのか」理解していれば、自分の中に目的意識が芽生え、仕事への向き合い方も変わります。言われたからやる、のではなく、自分で考えて動けるようになるのです。だからこそ、どんなに忙しくても“なぜそれをやるのか”を丁寧に伝えることは、班長として妥協できない姿勢。教える側として、相手の理解にしっかりと向き合う。その積み重ねこそが、メンバーの成長とお客さまからの信頼につながるのだと、私は信じています。
< 仕事を通じた自身の変化 >
仕事のモチベーションは、毎日をちゃんと終えること
若いころは、仕事に対して「自分でやった方が早いし、確実だ」と思っていました。でも班長という立場になり、現場全体を見るようになって考え方が変わったんです。すべてを自分一人で抱えるのは難しい。だからこそ、仲間を信じ、頼ることが大切だと。
もちろん、ただ仕事をふるだけでは人は動きません。大切なのは、相手が“やらされている”と感じず、「自分で決めて取り組んでいる」と思えるような関わり方。作業をお願いするときも、その背景や全体の流れを伝えたうえで、「だからお願いしたい」とまっすぐ伝えるようにしています。
また、もうひとつ気をつけているのは私自身の姿勢です。当然ですが、私が真剣に取り組んでいないのに、人にだけ頑張れとは言えません。現場でも事務所でも、仕事にまっすぐで向き合う私の背中を見せることこそが、メンバーから信頼される第一歩だと自分に言い聞かせています。
そんな日々の姿勢が、思わぬ形で評価された出来事がありました。グループ内で開催されたフォークリフトのコンテストに出場した際、まさかの「優勝」をいただいたことです。特別なことをしたつもりはありません。ただ、一つひとつの動作を丁寧に、ルール通りに積み重ねてきたことが、評価につながったのだと思っています。“地道にコツコツと”積み重ねていく姿勢が認められたような気がして、本当に嬉しい優勝でしたね。
私のモチベーションは、一日一日を“ちゃんと終える”こと。大きな目標ではなく、今日もトラブルなく終われた、予定通りにこなせたと、そんな日々を積み重ねることこそが、私にとってのやりがいであり、明日への原動力になっているのです。
ライター:清水海斗
カメラマン:氏家岳寛
(インタビュー取材 2025年5月)
取材メモ:
緊張しながらも、一つひとつの撮影や作業にまっすぐ向き合う姿に、真面目さと誠実さが伝わってきました。
過去にはフォークリフトコンテストで優勝した経歴もあり、青空の下で披露してくれたスムーズな U ターンや運転操作は非常に華麗でした。
運転前のきりっとした指差し確認のポーズも、とても様になっていました。
