Interview
030
Linking Work & Life
物流管理スタッフ
- 物流管理
- 新卒入社
社会人として、人として成長できた
- 入社した年
- 2018年
- 休日の過ごし方
- 愛車のSUVの洗車
- 尊敬する人
- 支店長

< 入社のきっかけ >
「社員になりたい」と言えたのは、この職場だったから
僕はアルバイトから社員になったので、今の支店で働き始めたのは高校生のとき。始めた理由は単純で、あまりコミュニケーションが得意な方ではなかったし、黙々と取り組む仕事が自分には合っていると感じたから。最初は本当に、それだけだったと思います。
高校卒業後は医療系の専門学校に進みましたが、アルバイトは続けていました。ただ、どうしてもその学校が自分には合わず、最終的に中退することに。改めてこれからの進路を考えたとき、気がつけばこの仕事が思いのほか楽しくなっていたんです。目の前の商品の仕分けに没頭する時間に、荷物がどんどん減っていく感覚…。ただのアルバイトですが、ほかでは得られない充実感がありました。また、もともと車やトラックが好きだったこともあり、物流という業界は自分の興味とも重なっていたようです。
社員になろうと決めたのは、会社としての安定感や将来性を感じたことに加えて、10代のころからずっとお世話になっていた支店長や社員のみなさんが、本当にあたたかく接してくれたから。アルバイトから正社員になるときには、自分から「社員になりたい」と申し出ました。面接や小論文の練習も、支店長が親身に付き合ってくれて。あの時の感謝は、この先も忘れることはありません。

< 日常業務と心がけていること >
現場を見渡し、気持ちで伝え、動かしていく
在籍している支店は食品スーパーの物流センター。僕は現場の進捗管理や人員配置、勤怠管理などを担当しています。限られた時間内でどれだけ効率よく回せるか、毎日が時間との戦いです。現場の状況は常に変化しますから、遅れているところがあれば必要に応じて応援を手配するなど、その都度判断しなくてはなりません。
正社員として働き始めたのは、まだ10代のころでした。当時の僕にとって難しかったのは、自分の親世代ほど年の離れたパートさんやアルバイトさんに指示を出さなければならないこと。かつては同じ立場で一緒に作業していた方々に、今度は自分が業務を指示しなくてはならないのです。もちろん、社員といっても決して偉くなったわけではありません。きちんと伝えることは伝えつつも、決して命令のようになってはいけないと、自分に言い聞かせています。
一方で、お客さまとの折衝も僕の重要な仕事です。たとえば「人件費をもっと抑えて欲しい」など、数字を重視したご要望をいただくこともあります。お客さまの言うことはもっともです。無駄なコストはかけたくないですから。でも、僕たち現場の人間は、ただコストを削るだけでは回らなくなることもよくわかっています。物量が多い日に人数を減らせば、当然作業に遅れが出てしまいますから。場合によっては、仕事の質や納品の正確さにも影響が出るかもしれません。
そんな難しい状況のときに心がけているのは、まずは現場で何が起きているのかを、丁寧に伝えること。数字や理屈だけでは、全てを伝えることはできません。だからこそ、自分の言葉で、気持ちを込めて伝えるんです。「品質を守るため、ここだけはどうしても譲れないんです」と。
限られた時間の中で、確実にすべての荷物を送り出すためには、必要な人手があるわけです。そしてそれは、現場を守ることであり、そこで働く仲間を守ることにもつながっています。お客さまに最大限の利益を提供しつつも、「現場が無理なく、ちゃんと機能する形を守るー」。それが僕の責任であり、決して譲れない想いです。

< 心に残った出来事 >
大変だった大雪の日。仲間と乗り越えた経験は、“最高の思い出”に
忘れられないのは、数年前の大雪の日のこと。交通は乱れ、多くの仲間が出勤できない状況になりました。僕たちが止まってしまえば、お店に商品は届きません。商品が届かなければ、日常の生活に困る人たちが出てきてしまいます。それだけは、何としても避けなければならないー。そんな想いで、僕はメンバーに電話をかけました。
正直、出勤できるか聞くのは心苦しかったです。雪道を無理に出てきてもらうのは危険だし、強引にお願いできることではないと分かってはいました。それでも、僕たちの仕事は、「物流」という仕事は止められないのです。だからこそ、勇気を出して一人ひとりに声をかけました。すると、「出勤します!」「手伝います!」と迷わず応えてくれた方が何人もいたんです。限られた人数の中でしたが、集まってくれた仲間全員が、それぞれの持ち場で力を尽くしてくれました。
今となっては「あのときは大変だったね」と笑って話せるようになりましたが、あのとき一緒に現場を支えてくれた方たちには、後日きちんと感謝の気持ちを伝えました。みんな「いえいえ」と気さくに返してくれましたが、その言葉の奥にはあたたかな優しさがあって。本当にありがたく感じましたね。
この経験から学んだのは、緊急時こそ冷静になることの大切さです。僕が慌ててしまえば現場は混乱します。だからこそ、どんな状況でも落ち着いて判断することが、指示を出す立場として欠かせないことだと痛感しました。あのときの一体感と仲間のありがたさは、僕はこの先も忘れることはないでしょう。緊急事態をみんなで乗り越えたこの経験は、僕にとって“最高の思い出”になりました。
< 仕事を通じた自身の成長 >
教わったのは、仕事だけじゃない。僕の成長が恩返しになると信じて
僕はこの現場で社会人としての一歩を踏み出しました。はじめは自分のことだけで精一杯で、目の前の作業をこなすことで満足していたように思います。でも、社員になってからは仲間と協力して仕事を進めることの大切さや、現場全体を見る視点の必要性を少しずつ学んできました。
「相手の立場に立って考えること」や「伝え方を工夫すること」「どんな状況でも落ち着いて判断すること」。そういった“社会人としての姿勢”は、日々の経験の中で少しずつ身についてきたのかもしれません。
そんな僕の成長を、いつもそばで見守ってくださったのが支店長です。まだ10代だったころから、ときに厳しく、ときに優しく接してくださり、社員になるかどうか迷っていたときも、背中を押してくれたのは支店長でした。支店長は誰に対しても分け隔てなく丁寧に接し、みんなの様子をよく見ている方です。僕にとっては仕事だけでなく、人としてどうあるべきかということも、背中で教えてくださる存在でした。
僕自身まだまだ未熟なところばかりですが、いつかは自分も、支店長のように誰かの支えになるような人になりたいと思っています。時間がかかったとしても、焦らず自分のペースでいい。成長した姿をお見せすることが、僕にできる恩返しだと信じています。
ライター:清水海斗
カメラマン:山辺恵美子
(インタビュー取材 2025年6月)
取材メモ:
夜勤明けというタイミングでの取材でしたが、疲れを見せず真摯に応じてくださいました。
管理者として、一人ひとりに寄り添うようなやさしい言葉がけや、アルバイトさんとの和やかな会話からも、信頼関係の深さが伝わりました。
車の話になると自然と笑顔になり、楽しそうに話してくださる姿にこちらもほっこり。
