Interview
038
Linking Work & Life
2025.11.28
支店長
- 支店長
- 物流管理
- 中途入社
プロ雀士の道を捨て物流の世界へ
- 入社した年
- 2001年
- 休日の過ごし方
- 大自然の中でゴルフ
- 特技
- 麻雀(二段)

< 入社のきっかけ >
本当はプロ雀士になりたかった。でも生活できないから物流の世界に飛び込んだ。
大学では哲学を学び、物事を突きつめることに没頭していました。学生時代はかなりの本を読破し、卒業論文でも学長賞を受賞しました。私はいったん何かに没頭すると、徹底的にそのことを考える気質だと思います。プロ雀士を目指したのもその1つ。就職前には毎日のように雀荘に足を運び、麻雀を突き詰めようと奮闘していました。ちょうどその頃、全自動麻雀卓が出始めたので、それまでのように手で麻雀牌を並べなくてもよくなりました。イカサマができなくなったのはよかったのですが、全自動麻雀卓の牌のかたよりの傾向を究明したくなりました。そこで何度も牌を投入して、パターンを見出す研究に没頭しました。
本当はプロ雀士になりたかったのですが、心の中では食べていけないことがわかっていました。それで、SBSロジコムの前身である相鉄運輸で、夜勤のアルバイトとして働き始めたのです。リーダー気質だった私は、頼られることも増えて2001年に社員として登用されました。当時から私は損得抜きで働くようにしていたので、そうした点も評価されたのかもしれません。その人の前身がどうあろうとも、正当に評価してくれることは、当時からSBSグループの良き社風だと思います。
物事を突きつめる私の性格は、社員になっても変わりませんでした。仕事に必要と思われた資格を片端から取得し、今では31種類の資格を保有しています。そのうち、16種類は会社が認めてくれて、必要な経費を負担してもらいました。こうした資格の中には、上司から言われて取得したものだけでなく、業務上必要になりそうなものを、先読みして取得したものもあります。
資格取得では、独自の合格術も編み出しました。絶対合格レベルまで徹底的に準備するのです。最低合格率レベルの勉強だと、1問間違えると不合格になるリスクがありますが、満点を目指せば1問を間違えても不合格になることはありません。また、試験の1ヶ月前には試験勉強を終えるようにしていました。
フォークリフトや危険物取扱者はもちろんのこと、クレーン・デリック運転士や伐木の資格もあります。伐木とは、チェーンソーで伐採するときに必要な資格です。当時勤務していた物流センターでは、どんどん成長する植栽の刈り込みや枝打ちのために取得したのです。ちなみに麻雀は二段です。

< 業務内容 >
入念な準備とドライバーが全員帰庫するまで待つ姿勢
現在は支店長をしています。この支店ではWiFi用のルーターの出荷や回収された機器の選別・保管管理などを行なっています。配属されたのは2024年4月。丁度、物流の2024年問題が注目されていた時期で、退職したドライバーの補填対応や料金改定交渉を行なっていました。また、ドライバーの業務負荷を下げるため、荷主や取引先と業務改善交渉も行ってきました。業務改善については今でも継続しています。
2024年当時、働き方改革によってドライバーの残業規制が制定され、業務負荷を下げる必要がありました。荷待ち時間の短縮や、ドライバーの本来の仕事ではないことを止めてもらう必要があったのです。料金改定の交渉は荷主9社と、協力会社6社と協議を重ねてきました。
今でもそうですが、私は交渉する前に徹底的な準備をするようにしています。相手の出方のパターンを全て想定し、それらに対して崩れないロジックを積み上げるのです。「確かにあなたの言うとおりだね」と、相手が納得するストーリーを作ります。
現在の仕事では日々決まったルーティンはありませんが、さまざまな業務を行なっています。収支管理、労務管理、スポット案件の取り込み、新規案件の提案やトラブル対応などなど。私が意識していることの1つは、ドライバーが全員無事に支店に戻ってきたことを見届けることです。必ず全員の戻りを確認してから、退勤するようにしています。

< 大切にしていること >
意識していることは褒めること
職場で大切にしていることは、スタッフを尊重して褒めることですね。誰しも褒められると嬉しくなって、頑張ろうという気持ちにもなりますよね。
あと、「心の中でずっと感謝する」ということをやっています。口に出して感謝することは、誰でもできますし、社交辞令でもできます。でも、「心の中でずっと感謝する」ことは意識しないとできません。例えば、倉庫内を歩くとき、スタッフの皆さんとすれ違うときも、心の中で感謝しているのです。
心の中では感謝を続けていると、自然と言動や仕草が「感謝している態度」に変化するのです。感謝する気持ちが自然に態度に表れて、相手にも伝わるのです。
日常的にはさまざまなやり取りがありますが、常に感謝をしていると、さまざまなことがスムーズに進むと感じています。支店長という立場上、お客さまや上司、部下から、ときには厳しいことを言われることもありますが、それにも感謝すればいいのです。「確かにそういう意見もある。参考になるな」と切り替えることができるのですから。
< 仕事を通じた自身の成長 >
迷惑をかけ続けていた母の背中が喜んでいた
これまで5つの支店で仕事をして、10人の支店長にお世話になりました。それぞれ個性があり、多くの学びを得ることができました。せっかくなので、心に残った言葉のいくつかをお伝えしたいと思います。
「職場は演劇である、感情で動かず、立場を演じろ」
「業務マスターとは①その業務ができること。②その業務の説明ができること。③その業務を人に教えることができること。大半の人は①と②で満足している。我々物流業は、相手の特質を理解した上で③ができなければならない」
「皆が皆、戦闘員になる必要はない。船長(指揮者)、航海士(誘導員)、音楽家(営業担当)、狙撃手(交渉人)、考古学者(資料作成者)などそれぞれの役割を発揮できるチームを構成すれば強力である。自分の強みを理解し、それを伸ばしてみなさい」
麻雀に明け暮れ、雀荘に入り浸っていた私も、こうした上司や周囲の人たちのお陰で支店長を務めています。何よりも喜んでくれたのは、心配をかけ通しだった母でした。私の父(母の夫)の墓前で手を合わせ報告する母の背中に、ようやく親孝行ができたと思っています。
< 入社を考えている方へのメッセージ >
SBSロジコムではさまざまな経験を持つ人が働いています。多様な職種と多くの拠点にキャリアアップのチャンスがあるので、ぜひ扉を叩いてみてください。
ライター:蜂巣稔
カメラマン:諏訪仁一
(インタビュー取材 2025年11月)
取材メモ:
話しぶりはロジカルでユーモアも交えつつわかりやすく、相手の立場に立った発言や伝え方を意識しているとのことで、思わず納得しました。
従業員への接し方からも人望の厚さが伝わる、親しみやすい支店長だと感じました。
どのポーズも自然に決まり、写真選びに迷うほどでした。
