Linking Work & Life

庫内オペレーター

大切なのは、広い視野を持つこと

入社した年
2014年
家族構成
妻、長男、次男
仕事終わりの楽しみ
幼稚園にお迎えに行くこと
インタビューに応じる男性庫内オペレーター

忙しい中にもやりがいを感じ、正社員の道へ

SBSロジコムに入社したのは25歳のとき。最初は正社員ではなく、契約社員としてのスタートでした。「とりあえず働いてみよう」という軽い気持ちで始めたものの、この仕事は想像以上にチームワークが重要な仕事です。働きはじめてすぐに実感したことの一つが、仲間と協力して仕事を進めることの大切さでした。

私が所属しているのは、主に百貨店の館内配送を行う拠点です。各フロアへの納品や催事対応など、百貨店の運営を支える“縁の下の力持ち”的な役割を担っています。百貨店では催事やセールが頻繁に行われるため、そのたびに大量の商品が届きます。限られた時間の中でそれらを正確に仕分け、速やかに各フロアへ届ける必要があり、そんな時は現場が一気に慌ただしくなるんです。ただ、そうした目まぐるしい状況のなかでも、社員の方々はテキパキと動き、着実に現場を回します。そんな姿を見ているうちですね。「自分もこんなふうに働きたい」と思うようになったのは。

社員になったのは、契約社員として働きはじめて3年がたったころ。先輩社員から「そろそろ社員にならないか?」と声をかけていただいたのがきっかけでした。プライベートで結婚を意識していたタイミングだったこともあり、男としての“けじめ”じゃないですが、正社員として新たな一歩を踏み出すことに決めたんです。

同僚と荷受け作業を行う男性庫内オペレーター

苦手だった数字と向き合う仕事にも、また違ったやりがいを感じます

これまでは基本的に現場での作業が中心でした。荷受けや品出し、各フロアへの納品といった日々の流れのなかで、とにかく体を動かして終わらせる。そんな仕事の進め方が楽しかったし、自分には合っていると感じていたんです。でも、今は事務所での業務が中心となり、仕事への向き合い方がこれまでとは大きく変わりました。

現在は荷主さまとの打ち合わせや人員の手配、さまざまな数字の管理が主な役割です。なかでもここ数年は、人件費や経費を予算内に収めるためにはどうするかなど、より重要な数字と向き合うことが増えてきました。もともと数字に対しては苦手意識があったのですが、支店長に手取り足取り教えてもらっていることもあり、少しずつ手応えを感じてきています。今の業務は成果が目に見える分、うまくいったときには「ちゃんと意味のある仕事ができた」と感じられるのが良いところ。そんな安心感は自信にもつながっているんです。

現場にいた頃は、目の前のことに集中していればよかったけれど、今は全体を俯瞰しながら“どう回すか”を考える立場になりました。以前と比べて、仕事のスタイルはずいぶん変わりましたが、「やってみたら意外と面白かった」と思えることも多いです。苦手だと思っていたことも、経験とともに自分の強みに変わっていく。そんな感覚が、今の自分を支えているのかもしれません。

ドライバーと笑顔でコミュニケーションをとる男性庫内オペレーター

心がけているのは、“自分の視点”だけで判断しないこと

後輩の育成や指導に関わるようになってから、ひとつ意識していることがあります。それは、“自分の視点だけで人を判断しない”ということです。上司という立場になると、どうしても自分が目にした部分で人の得意・不得意を決めがちですが、実はそれだけでは分からないことも多い。

たとえば「この子は少し不器用かも」と思っていたメンバーでも、ドライバーさんや周りのメンバーが「彼、こういう作業が上手だよね」と言っているのを耳にすることがあります。そういう“他者の声”が実はすごく大切で、自分の思い込みだけで接していたら見逃してしまっていた強みに、周囲の評価で気づくこともあるわけです。

今は事務所にいることが多いので、現場でメンバーと関わる時間も限られています。そのぶん、人づてに聞く声や反応は意識的に拾い、その人の良いところや成長している部分を見逃さないよう心がけています。上司としての役割は仕事を教えることだけじゃなく、強みに気づき、伸ばしてあげる。そんなことも大切なのかなと、感じはじめた今日このごろです。

組織づくりで大切なのは、メンバーを信じ、任せること

何年か前、事務所の社員が2人同時に辞めるという出来事がありました。当時は本当に手が足りず、残された私ともう一人の係長で、なんとか業務を回す日々。マニュアルや引き継ぎも十分とはいえず、毎日が試行錯誤の連続でした。でも、あの経験があったからこそ「誰が抜けても機能する」強い組織をつくる意識が生まれたのだと思っています。

あのとき強く実感したのは、「特定の人にしかできない仕事をつくらない」ことの大切さです。誰かが休んでも、自然と周囲が補い合える。そんなチームであれば、誰もが安心して働けるはず…。こうした考え方は、現場での育成にもつながっています。

リーダーを任せたメンバーには、基本方針だけはしっかりと共有し、あとはできるだけ自分のやり方で現場を動かしてもらうようにしています。細かく指示を出すよりも、その人らしさを活かしてもらう方が、結果としてチーム全体もスムーズに動くと思うのです。やり方はそれぞれ異なりますが、現場が機能しているなら、それがそのチームにとってのベストな進め方なのではないでしょうか。任せることで、人は育ちます。信じて見守ることで、チームには力が宿ります。いまの職場には、そうした循環が少しずつ根付いてきている。そう実感しています。

ライター:清水海斗
カメラマン:氏家岳寛

(インタビュー取材 2025年4月)

取材メモ:
通勤時間を英語の勉強にあてるなど、日々コツコツと努力を重ねる一面があります。
物腰が柔らかく、どんな質問にも丁寧に対応してくださり、仕事内容や支店の様子をわかりやすく案内してくれました。
撮影中も他のメンバーを後ろから見守り、必要に応じてそっとサポートを入れるなど、細やかな気配りが光る存在です。

笑顔で職場に立つ男性庫内オペレーター