Interview
031
Linking Work & Life
2025.07.14
物流管理スタッフ
- 物流管理
- フォークリフト
- 中途入社
「考える力」が武器になる仕事
- 入社した年
- 2014年
- 休日の過ごし方
- ロードバイクで山へ
- 仕事で一番好きな瞬間
- 難しいご要望に応えることができたとき

< 入社のきっかけ >
「この仲間とならー」。正社員になったのは、そんな想いが芽生えたから
物流業界に足を踏み入れたのは、本当に偶然のことでした。派遣社員として現場に入ったのが最初で、正直「この仕事がしたい」といった強い想いがあったわけではありません。ただ、働くうちに少しずつ現場の雰囲気に惹かれていったのは事実。気がつけば、驚くほど真剣に仕事に向き合っている自分がいました。
そんな姿を見ていてくれたのか、派遣契約の終了を迎えるタイミングで当時の支店長から声をかけていただきました。何を評価してもらえたのかはっきりとはわかりませんが、きっと「一生懸命やっている姿を見てくれていたのかな」と感じています。その後、契約社員としての勤務を続け、数年が経ったころでしょうか。今度は「正社員にならないか?」と再びお声掛けいただき、正式にSBSグループの一員となりました。ただ、実はそのとき一度お断りしたんです。正社員になるということは、それだけ責任も重くなるということ。簡単には辞められない立場になることに、当時の自分はなかなか覚悟が持てなくて。
でもそんな気持ちに変化が生まれたのは、周りにいた仲間の存在がきっかけでした。これまでずっと一緒に働いていた仲間たちの多くが、気がつけば正社員として活躍しはじめていたんです。肩書きが変わっても前向きに働く仲間の姿を目にしたことで、自然と「この会社なら、自分でもやっていけるかもしれない」と感じられましたね。今振り返ってみても、あの時の“仲間とのつながり”が、自分の背中を力強く押してくれたことに間違いはありません。

< 業務内容と仕事のやりがい >
物流は“知的労働”。難しいご要望ほど私たちの腕の見せどころ
正社員になってからは、現場全体の管理を担うようになりました。作業の進捗確認や人員配置、シフト作成に加え、荷主さまからの細やかなご要望にも日々対応しています。現在の支店では高級食器を扱っており、商品の特性上、ご依頼内容も非常に細かく具体的です。メールで届くご要望は一日に何百件にも及ぶことがあり、その一つひとつに目を通しながら、対応方法を検討しています。もちろん、すべてに即座に対応するのは難しいですが、「できる限り応えたい」という想いはチーム全員に共通しています。
正直、中には「これはちょっと難しいかもしれない」と思うようなご要望もあります。ただ、そういう場面にこそこの仕事のやりがいがあり、何より私たちの腕の見せどころなのです。どうすれば実現できるか、どうすれば現場が円滑に回るかを考え、メンバーや他部署とも連携しながら最善策を探ります。ときには作業の順番を組み直したり、現場のレイアウトを変えたりと、柔軟な発想が求められることも少なくありません。
だからこそ、ご要望にしっかりと応えることができたときには、チーム全体に心地よい達成感が広がるんです。「やりきった!」と笑みがこぼれ、自然と現場にいい空気が生まれます。自分たちで考え抜いた方法で乗り越えられたときのあの感覚は、何度味わってもやっぱり気持ちのいいものですね。
世間には、「物流」という業界は“ひたすら体を動かすハードな仕事”というイメージがあるかもしれません。もちろん、楽な仕事ではないですよ。でも私が伝えたいのは、物流とは“状況”を判断し、“工夫”を重ね、“仲間”と力を合わせて乗り越えていく“知的労働”の仕事だということ。そう実感できる瞬間があるからこそ、私はこれまでやりがいを持って続けてこられたのだと思います。

< 大切にしている考え >
変わり続ける物流の中で、変わらずに大切にしたいもの
この仕事を始めてから、気づけば20年近く経ちました。物流の最前線にずっと身を置いてきたからこそ、ここ最近は特に、業界の変化を肌で感じることも多いです。
一昔前までは、「物流=キツい」「長時間労働が当たり前」というイメージを持たれていた方も多かったように思います。実際、昔は法整備が今ほど整っておらず、“ブラック”と呼ばれても仕方ないような環境があったのも事実です。でも今は、働き方改革や法改正の影響もあり、業界全体が徐々に健全な方向へと動いていると感じます。
同時に、目まぐるしいスピードで進化しているのがテクノロジーの分野。自動倉庫やAI、ロボティクスの導入が進み、今後は自動運転やドローン配送などが当たり前になる時代がやってくるでしょう。どんな時代になっても、物流そのものは決してなくなりません。ただし、「人がどこまで関わるか」は確実に変わっていくー。そんな実感があります。
だからこそ大切なのは、ただ決められた作業をこなすのではなく、“考える力”を持ち続けること。効率を高めるにはどうすればいいか。今のやり方は本当に最適か。そうした問いを持ち、自ら工夫を重ねられる人こそが、これからの物流を支えていくのだと思います。
業界全体が変わっていく中で、企業もスピード感を持って拡大や変革を進めています。正直、「もう少し地に足をつけて進んでもいいのでは」と感じる場面もありますが、それだけ変化の波が早く大きいということ。だからこそ、個人としても“変わり続けること”を受け入れ、柔軟に対応していく姿勢が求められるのではないでしょうか。物流は、これからもっと面白くなる。そう信じているからこそ、今も現場で考え続けています。
< プライベートの過ごし方 >
休日は趣味のロードバイク。気持ちの切り替えを大切にしています
ここ数年は特に、オンとオフの切り替えをとても大切にしています。若いころは休みの日でも仕事のことを考えてしまったり、つい無理をして働いたりすることもありました。でも年齢を重ねるにつれて、仕事とプライベートのバランスを特に意識するようになったんです。いい意味で“距離を置く”ことが、長く続けるためには大切なことだと気づきました。
私にとってのリフレッシュはロードバイク。休日には自宅から山の中腹にある湖まで、アップダウンの激しい山道を何十キロも走ります。登り坂は本当につらいです。でも、そのぶん走り終えたときの爽快感は格別で、まさに“仕事のことは山に置いてくる”ような感覚。ひたすらペダルをこいでいると、余計な雑念が消えて頭もすっきりしてきます。趣味に打ち込むことで自然と気持ちの切り替えができ、また新しい一週間に向けて気力が湧いてくる。そんなルーティンが、自分にとってはすごく大切なことなんです。
繰り返しになりますが、物流の仕事は決して楽ではありません。だからこそ、自分のペースを保ちながら、無理なく働き続けることが大切だと感じています。無理せずきちんと責任を果たすためにも、「頑張るための余白」は必要不可欠。これからもそんな感覚を大切にしながら、この仕事に向き合っていきたいですね。
ライター:清水海斗
カメラマン:山辺恵美子
(インタビュー取材 2025年7月)
取材メモ:
趣味の自転車で鍛えた日焼け肌がとても健康的で、溌剌とした雰囲気を感じさせてくれました。親しみやすい人柄で、撮影の様子を見に集まるスタッフの姿からも、人望の厚さがよくわかります。物流業界に携わって20年近く、長年の経験で培った知識と深い考えを持ち、現場をしっかりと支えてくださっています。
